FC2ブログ

村田のアニキ








子供のころ一方的に慕っていた「村田のアニキ」は、洋楽好きの、どちらかと言えばブリティシュロック好きな青年で、テレビでビートルズの番組を見て、その翌日にギターを買い込んだという、割と多いタイプの一人だった。

大学時代には、これも割と多い内の一人になるのだが、バンドを結成して積極的に活動を行っていた。

やはり「好き」は大事なことで、「積極的」も大事。

「村田のアニキ」はアマチュアバンドの地方大会でグランプリを獲得したりして、俄かに実力を発揮し始めていた。

元々曲つくりのセンスも頭一つ抜き出た感じなのだが、何より卓越悦していたのがヴォーカルだった。

やがて当然のようにプロデビューの話が持ち上がるようになったのだが、「村田のアニキ」はヴォーカル以上に卓越していたのが「大口」叩きだった。

「邦楽には興味がない。強いて言うなら、日本人で俺をプロデュースできるのは山下達郎ぐらいなもんさ」

山下達郎を連れてこいという「村田のアニキ」だったが、世の中面白いもので、結果的に山下達郎に引き合わされることになる。

ところが、「村田のアニキ」の大口は止まらない。

山下達郎にも逸材として評価されデビューの話が纏まりかけた際、レコーディングが山下達郎のプロデュースではない事に納得がいかず白紙撤回してしまうのだった。

結局「村田のアニキ」は大学を卒業し、社会人として企業に勤め始める。

けれど、好きな音楽は続けていて、やはり実力がものを言わせたのか、再びプロデビューのオファーを受けることになる。
その際、スカウトしたレコード会社に偶然山下達郎も所属しており、「村田のアニキ」は再会を果たすとともに、山下達郎の後押しもあって、プロデビューを決意する。

どうも「村田のアニキ」は山下達郎のプロデュースを期待していたようだったが、実際にはレコード会社の「反対」で山下達郎が直接手掛ける話は流れてしまった。
理由は「似すぎ」を警戒しての事のようだった。

けれど、大口叩きだが所詮アマチュアの「村田のアニキ」。
レコーディング中のテイクを途中山下達郎にチェックされ、あげくダメだしとともに、最終的には山下達郎が直接アレンジをやり直すという顛末。

違う形で念願の山下達郎(間接)プロデュースでデビユーを飾ることになった。






「いやー、俺、ヒット曲なんてないしさ」

そう言ってライブ会場のオーディエンスを笑いに誘う。

「そうだね(笑)」

居合わせたオーディエンスも胸の中で頷く。


「こんどののツアーメンバー、俺より人気のやつがいるんだよ。むかつくというより、すごいって感心しちゃうよ。名前がさ、小室っていうんだけど。女性にすごい人気なの。テツヤーとか言われてさ」

こんな感じで、実際は割とおおらかで面白い人物。
本人の言う通りヒット曲はないままだったが、長く音楽活動を続けて多くの人に親しまれてはいた。


亡くなったのが5年ほど前で、直前まで精力的に活動を続けていたが、遺作は制作途中でこの世を去る事になり、けれど「村田のアニキ」を慕う面々で完成させリリースを行った。


個人的には、アコースティックギター一本でのライブ中、内臓アンプの電池が途中で切れてしまって、笑いながら電池交換している姿が印象的。
おおらかで、男っぽい人柄が伺える一幕だった。






曲のご紹介
なお、どちらも35年前の作品。
きっと、聴いたら驚いていただけるはず。

どちらもびっくりするほど洗練されている。
山下達郎を連れてこいというだけの事はある、かな、、、、(笑)




カバー曲なのだが、村田和人の才能が凝縮された曲だと思っている。
世界中で多くのアーティストがカバーしている人気曲だが、原曲を知っている方だと少しだけ「?」となるのではないだろうか。
贔屓もあるのだが、原曲よりも僕は村田のアニキヴァージョンの方が主旋律が美しいと思っている。
ぼく個人が違和感を持っていた原曲に対し、絶妙に補正してる。







「こんなアーティストが日本にいたんだ?」

海外からのそんな評価もあった、ハードロック大好きアニキの一曲。
パワーステーションスタジオで録音したのか!?と思える程、当時は洗練された印象でもあった。

とにかくパワフルなヴォーカルが聞きものの代表曲。
全然知られていないけど、日本人が世界に誇れる一曲だと僕は思っている。

直接このページで再生できないと思われるが、再生ボタンを押した後に表示される 「この動画は YouTube でご覧ください」をぜひクリック!!
この曲、ぜひ聴いていただきたい!!!







スポンサーサイト



The Smile Has Left Your Eyes.Please,Open Your Eyes.




小学生の頃。

音楽授業での楽器と言えばリコーダー。
そのリコーダーを遊んでいて壊してしまった僕は、親にも言えず途方に暮れたことがあった。

幸いだったのが、僕の通う小学校は妙に音楽に力を入れており、リコーダー以外の楽器が豊富に取り揃えられていた事だ。

それだけではなく、校舎各階の廊下にはオルガンが数台設置されていて、誰でも自由に演奏ができた。

譜面の読めない僕ではあったが、知らず何曲かの演奏ができるようになっていた。

そんなわけで、リコーダーを新しく買ってもらうことをあきらめた僕は、音楽の時間の演奏楽器をアコーディオンとすることにした。

とにかくたくさんの楽器をたくさんの生徒が演奏するような授業だったので、リコーダーが無くても困る事が無かった。

卒業する頃には、少しだけ譜面も読めるようになって、和音だってちょっとはこなせるようになったいた。







物置部屋を整理して猫部屋を作った際、積み上がった荷物からでてきたキーボード。

20200505173250cd7.jpg



MIDI対応の61鍵。
知る人ぞ知る「ミュージ郎」共々、僕の遊び道具の名残だ。


残念な事にACアダプタが見つからなかった(笑)

頑張ってさがしてみるか、、、、。







大好きなミュージシャンのジョン・ウエットンが在籍していたバンド「エイジア」


202005051740063cd.jpeg


曲を聴きながら、よくバンドスコアを楽しんだりした。
好きな楽器はベースなのだが、手持ちがキーボードだったので、ド派手なジェフリー・ダウンズのキーボードパートを曲にあわせて演奏しては悦に入っていた(笑)

20200505175021f4e.jpeg


先ずはこれ。
正直、歌詞はチープだけれどサウンドはエイジア節炸裂で結構お気に入り。

特に曲の終わりのフェードアウトに向かうパートは、恥ずかしいけれどノリノリで僕もキーボードを弾いたり。
スティーブ・ハウの変態ギターが絡んでくるところなんかは恍惚状態が体験できる。
是非、我慢して曲のラストまで頑張って聴いてみて下さい。







もう一曲。

邦題が違訳すぎて???なのだが、曲としてはなかなか悪くない。
タイトルは直訳のほうが伝わるものがあるな、と、当時思ったりしたが、今となってはなかなか意味深な作品で、僕のような状況にいる人間には心に痛い。
メロディラインは割りとオーソドックスで聴きやすいが、変態奏者ばかりのメンバー故、アレンジが無駄に複雑になっている。
キーボードの話をしておきながら何なんだが、やはりスティーブ・ハウの変態ギターは「聴き物」だ。



まあ、結構好きでよく引き語った思い出がある。





そして3人が残った

 




二疋の蟹の子供らが青じろい水の底で話していました。

『クラムボンはわらったよ。』
『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』


宮沢賢治・「やまなし」より。

くらむぼん










休日の夕方。

湯船に浸かりながらのんびり。
ビニールに詰め込んだスマホで適当に音楽を流す。

ああ、クラムボンだ。

シャッフルされた曲は、いつだったかに携帯会社のCMで使われていた曲だった。

キーボード、ドラム、ベースのスリーピース。

クラムボン①


きっかけは音楽学校。
授業の一環で、クラスメイト同士自由にバンドを作って発表をするという課題が出た。
よくある話で、誰からも誘われない三人が残った。
そして、当然のようにその三人でバンドを組むしか選択肢がなかった。

けれど、それは、想定外のミラクルとなった。






連想して思い出される事。

高校の時。


音楽の授業で、自由にメンバーを決めて自由に選んだ曲を演奏披露するという課題が出た。
ルールとして、何の楽器を使ってもよいが、メンバー同士が「同じパートを演奏しない」という縛りが設定された。

クラスは沸きったった。
わーという声とともに、すごいスピードでグループが作られていった。

あちこちで出来あ上がったグループは、やがて、何の曲をやるか?何の楽器を使うか?と話を進めていた。

想定した通り、僕は壁の花と化していた。
まあ、こんなもんだ。
それはさておき、ソロ演奏は失格だと言っていたので、誰かと組まないとならない。

なんとなしにクラスを見渡すと、もう一輪壁の花を見つけた。
女性的な顔立ちをした彼は、見た目は申し分ないが、地味な性格が災いしてか、常に冴えない印象をまとっていた。
例えるなら、容姿はチビまる子ちゃんに出てくる花輪くんだが、性格が永沢くんで、言ってしまえば暗かった。
そんな彼と目を合わせ、シニカルな笑顔を交わす。

仕方が無いと、恐らくはお互いに思い、どちらからともなく歩み寄る。

その時、視線を感じて二人とも同じ方向に目を向けた。

なぜかニコニコと笑顔を振りまきながら、けれど誰からも声をかけられる事もなく、事情も解らない感じで自分の席に座ったままでいる生徒を発見した。

「ああ、、、」

たぶん、僕も、冴えない花輪くんも同じように思ったに違いない。

「彼がいたか、、、」


その生徒は牛乳瓶の底のようなぶ厚い眼鏡をかけていて、何をするにもスリーテンポ以上遅れてしまい、勉強もあまり得意ではなかったが、何より運動がまったくできないという生徒だった。
環境によっては虐めらそうなタイプだったが、いつもニコニコしていて、その笑顔が純粋すぎる為か、誰一人として彼を虐げるような事はしなかった。

「いっしょにやるかい?」

冴えない花輪くんが彼に声をかけた。

うんうんと何度か頷き、そしていつものようにニコニコした。

そして僕ら残り者の三人でチームを組むことになった。





僕と冴えない花輪くんは話をした。
おそらく、クラスが一緒になってから初めての事に違いなかった。

二人とも心にひっかかる事があった。

「ニコニコくんを誰も誘わなかった」

仕方が無いと言えばそれまでだが、なんとなく釈然としないものを感じていた。
もちろん、それは、自分たちの事を棚に上げての勝手な思いだった。

「足手まといになる」

言葉にすれば少々残酷な打算が、クラスメイトにはあったに違いない。
そんな理由でニコニコくんは一人ぼっちで席に座っていたのだと思った。

「ここはひとつ、皆を驚かせよう」

僕と冴えない花輪くんはそう決めた。
そして「どうやって?」を話し合った。





発表するにあたって決めたこと。

・楽器は気取らず「リコーダー」とする
・誰でも知っている曲を選ぶ
・曲は、解りやすくキャッチャーなものにする

そして、

・主旋律はニコニコくんに演奏してもらう

とした。





発表に向けての練習は音楽の授業時間内で行えた。
けれど、致命的にニコニコくんは音楽も駄目だった。
何より譜面が良く解らないようだった。

牛乳瓶のそこのような眼鏡越しに、まるで譜面を舐めるように顔を近づけてオタマジャクシを指で追った。

「これ、何の音か解る?」

ひとつのオタマジャクシを指差し尋ねても、それが「ラ」なのか「ソ」なのか判別が付かないようだった。
なので、音楽の授業時間内で曲をマスターするのは不可能だった。

「部活休もう」

僕も冴えない花輪くんも運動部に所属していたが、しばらく休部し、放課後毎日発表曲の練習をすることにした。
僕ら二人はニコニコくんに付きっきりで譜面と指の押さえ方を説明した。
それはカメより遅い歩みだった。
けれど、ニコニコくんは少しずつ曲を覚えて行った。

僕らはニコニコくんの覚えた部分に合わせて、伴奏の練習をした。

どれだけの時間がかかったのかは、もう覚えてはいない。

けれど、僕らは放課後の誰もいない教室で練習をしながら、ニコニコくんに合わせてケラケラ良く笑った事を覚えている。




発表の時。


皆、ほどほどの出来栄えでその時を迎えていた。

そして、僕らの番が来た。

クラスの皆が注目しているのがわかった。
理由は、不揃いの三人で、さらにはメンバーにニコニコくんがいるからだった。
どっからどうみても余り者三人組で、果たしてきちんとできるのか?という視線を感じた。

ニコニコくんは少し緊張しているようだった。
僕と冴えない花輪くんはニコニコくんに向けて笑いかける。
そして、僕は手でリズムをとり、ニコニコくんに合図を送る。

ニコニコくんが独奏でスタートした。
クラス中が静かになったのが解った。
たぶん予想外の展開だったからだと思う。

程無く、冴えない花輪くんが自分のパートで伴奏を開始した。

良い感じで進行するのを確認して、僕も自分のパートで演奏に加わった。
誰もが知っているノリの良い曲が、淀みなく進行する。

やがて、何一つつまずくことなく一曲目が終了した。

「おおっ!」

とう声が聞こえた。

僕らはご機嫌で、さらには得意げに二曲目をスタートさせた。

ニコニコくんがどれほど頑張ったのかが全員に伝わったに違いない。
授業が終わったあと、ニコニコくんは皆にたくさん褒められていた。

そして、僕たち三人は、その後一度も一緒に集まることは無かった。
余り者は余り者らしく、慣れ合う事が得意ではなかったからだった。





クラムボン。


音楽学校の課題で、偶然に組まれたスリーピースバンドは、結果そのままメジャーデビューを果たす。


個性的な楽曲と特徴的なヴォーカルを武器に、強烈なオリジナリティを持ってアルバムを9枚リリース。
デビューから18年がたち、今でも音楽学校での課題を三人で続けている。

素敵な事だなと思う。

ちょっと、ニコニコとしてしまうな。










表題は、イギリスのロックバンド「ジェネシス」のアルバムから。

そして三人が残った


前衛的、かつ演劇的なアプローチで人気を誇ったが、中心人物でバンドの方向性の全てを握っていたヴォーカルでありリーダーのピーター・ガブリエルが突如脱退してしまう。
追うようにギターのスティーブ・ハケットも脱退し、残されたのがキーボード、ベース、ドラムの三人で、その状況をそのままアルバムタイトルにしたのが「そして三人が残った」だ。
楽器編成は偶然にもクラムボンと同じ編成だ(笑)


強烈なリーダーが抜けたことで、バンドは存続の危機となるが、何が正解なのか解らないもので、残った三人で継続されたジェネシスは、結果全米チャート1位を獲得したりと、さらなる人気を得ることになった。

理由としては、後に「世界で最も忙しい男」と言われるようになるスーパーヒットメーカー「フィル・コリンズ」が残った3人の内の1人だったからだ。
フィル・コリンズが担当楽器のドラムだけではなく、リードヴォーカルとしてフロントマンを務めるようになると、天性のメロディメーカーぶりが覚醒し、瞬く間に人気バンドとなった。
フィルコリンズ



ちょっと運命的な出来事は、残り者3人組のジェネシスが全米1位を獲得した時、その1位の座を引きずり降ろしたのが、かつてのリーダー、ピーター・ガブリエルの曲だった。

個人的な思いでとして、今は亡き弟が一度だけ僕に「お勧めのアルバムある?」と尋ねた事があって、その時に薦めたのがジェネシスの全米1位を引きずり降ろしたピーター・ガブリエルのアルバム「SO」だった。
まあ、本当に個人的な思い出だ(笑)
ピーターガブリエル


弟がとても気に入っていたアルバムであり、僕もお気に入り。
亡き弟との唯一繋がりを感じられるファクターかもしれない(笑)

抒情的でドラマチック。これぞガブリエルな名曲↓


状況に抗わず、状況を受け入れて前に進むのは、案外正解なのかもしれない(笑)




※ふろく

CMで使われていたクラムボンの曲。
トリオ編成ならではのテクニカルな演奏でありながらなかなかキャッチャー。

恐らくは知らない人はいないと思う。






文学少女はエレキギターの夢を見るか?



小説家志望の美少女。
ナンシー・ウイルソン。

すくなからず僕にとってはアイドルであった(笑)
ハート③


彼女の実姉はロックバンドのヴォーカルで、それはなかなかの実力派。
時々お手伝い程度に姉のバンドにギターで参加したり。

姉やその仲間たちからはバンドに入る事を再三誘われていたが、小説家になる事をあきらめきれないでいた。

けれど最終的には姉に合流。

そうして、なかなかに珍しい女性姉妹がいるロックバンドが誕生した。

言わずと知れた「ハート」だ。
ハート①


文学少女ナンシーは、何かふっきれたように、大きな胸をあらわにしながら、片足を高く上げギターをかき鳴らしていた。

このバンドの最大の武器であり、物珍しい色ものバンドで終わらないで済んだのは、匂うような色香をまとうお姉さん(アン・ウイルソン)の歌唱力ではないかと思う。

パワフルで美しい。


それもあって人気バンドであったが、個人的好みはナンシーの美貌(笑)
いや、ほんとに綺麗な人だなと思っていた。
ハート②


月日は流れて、姉妹は妙齢の域に入った。

驚くのは、、、というより嬉しいのは、見た目より実力の方が上だった事を改めて知った事。


峰不二子のようだったお姉さんのアンは、ふくよかな「ザ・おばちゃん」になっている。
けれど、その歌唱力は衰えるどころか貫禄の領域。
むしろ、当時より親しみと羨望が湧く。

そんな稀代のヴォーカリストであるアンに対し、時々ヴォーカルをとっていた美少女ナンシー。
意外にも、ヒット曲にはナンシーがヴォーカルをとっている曲が少なくない。

そんな、金髪の文学美少女ナンシーが、ギターではなくヴォーカルで魅せた幻想的で美しいナンバー。
「These Dreams」
全米1位を獲得したこのナンバーは僕のお気に入り。

ということでお勧め曲はこれ。

当時のナンシーの美貌を知ってもらうには、やはり当時のPVかな、、、と思ったが、歳をとり魅力が増したウイルソン姉妹の方が良いかなと思った。

けれど尚も美少女の面影が残るナンシーはやはり美しい。
恋しそう(笑)

胸をはだけさせ腰を振りながらエレキギターを引く姿は見れないが、ギターをアコースティックに変えてのプレイと、相当に歌が上手くなっている姿は一見の価値ありだ。

もう、サビのところなんて鳥肌たっちゃた(笑)
当時よりも数倍良い出来かもしれない。

おっぱい、ちっちゃくなっちゃたけど(笑)




numb 【形容詞】 ・・・(悲しみ・疲労などで)まひした、無感覚になった








その青年は繊細な見た目を裏切らず病弱であり、その生い立ちも暗く影のあるものだった。
青年期に受けていた性的虐待や同時期に経験する両親の離婚。
現実から逃れる為の薬物使用やアルコール依存は16才の時点で分水嶺を越えようとしていた。

身内による努力もあって、現実世界に引き戻されはしたが、それとの引き換えなのか虚弱な肉体と精神を武装するかのように全身をピアスと刺青で覆い尽くした。

そんな彼が亡くなったというニュースは瞬時に世界を駆け巡った。数時間後には、その死因は自殺であり、さらに数時間後には少し前に同じく自殺した親友の後追いだったのでは?の憶測も流れた。

7月20日。

先の5月に自殺した親友の、奇しくも誕生日に自らの命を絶った為だった。





マルチプレイヤーの「マイク」、別名「篠田 賢治(シノダ ケンジ)」

彼の率いるロックバンドは、デビューアルバムでビルボード初登場16位。
このインパクトは当時衝撃だった。

結果、2~3千万枚をセールし、当時のティーンエイジャーでアルバムを持っていない人間を探すほうが困難と評された。
その後、グラーミー賞を始め、数々の賞を総なめにしアルバム総セールスは6千万枚とも7千万枚とも言われている。


僕にとっては、ハードロックの理想的進化を遂げたサウンドであり、大変失礼な言い方になるが、アメリカンロックとは思えないほど繊細でナイーブだった。
とは言っても、骨抜きなサウンドではなく、むしろ攻撃的で反抗的で怒りと悲しみに満ちている・・・というのが僕の印象だ。

よく言われる事だが、あらゆるジャンルの利点を上手に融合したサウンドは、おそらく多くの人が聴きたかった姿の具現化だったのだと思う。
デビューアルバム以降、留まるところをしらないヒットの連続は、たぶんそんな裏付けがあってのことだと想像する。

バンドの名前は「リンキン・パーク」
リンキン③


以前もこのブログ内でネタとしたが、まさかこんな形で追悼する事になるとは思わなかった。


織りなすサウンドの真新しさもそうだが、よく語られるバンドの魅力として、リードボーカルの力量がある。
元々はデビュー前のバンドオーディションでの採用であり、結成に際してのオリジナルメンバーでは無い。

実しやかに語られる逸話として、同じくオーディションに来ていたヴォーカル候補達は、彼の歌を聴いて驚愕し、何もせずその場を立ち去ったと言う。


僕も初めて曲を聴いた時、マイルドでクールなラップボーカルと、少年のように可愛らしく美しいヴォーカルと、身を切るように大声で激しくシャウトするヴォーカルとが混載していて、「いったい何人ヴォーカルがいるんだ?」と思った。

実際にはツインヴォーカルで、主にラップとコーラスを担当するのはマルチプレイヤーのマイク・シノダで、メインヴォーカルはチェスター・ベニントンという青年だった。
彼が少年のような優しいヴォーカルと激しいシャウトの主であり、ヴォーカルオーディションの面々を歌声で蹴散らした人物だった。

容姿を含め、繊細さがにじみ出ている彼は、サリンジャーの小説の主人公のようで、薄氷のような危うげな空気をまとっていた。
リンキン④


そんな彼が自殺したというニュースは、本当に衝撃的で、職場での昼休みに何気なく見ていたネットニュースに大声を出してしまった。

けれど、不思議さを感じなかったのも正直な思いだ。
容姿から滲み出る繊細さは、想像し共有することがかなり困難な闇からくるものだったのだろうと考えた。
もちろん、僕には知る由もないし、勝手な想像でしかないが、、、。



非道徳的で社会的協調性が乏しいバンドに見える風貌だが、実際には決してそんなこともなく、社会的クリエーター集団だ。
特にポリシーがあったわけではないだろうが、世界各所の自然災害など救済イベントには欠かさず参加する勢いだったし、ボランティア活動で被災地を訪れていたなどというニュースを良く見かけた。

日本でも、さりげなく東日本大震災の石巻市を訪問していたり、チャリティアルバムに参加していたりする。

余談になるが、拾いあげると日本贔屓な面があり、ターンテーブル担当のDJハーン(韓国)は元々デザイナー志向であり、F1で奮闘する小林可夢偉のヘルメットをデザインしたりしている。
また、ガンダム好きでもあり、プロモーションビデオにさりげなくガンプラが登場したりする。

リンキン②



ガンダムに関してい言うと、関連ゲームの主題歌をバンドが担当するなど、意外なところで縁がある。

余談ついでに言うと、マイク・シノダ(篠田 賢治)の弟は同志社大学に留学していいた。





お勧め曲を色々考えたが、1曲で全てを知るに最適かなと「numb(ナム)」を選んだ。
美しいメロディで聴きやすいし。


曲タイトルの「numb」は形容詞で直接的な意味を汲み取りづらい。

ミュージックビデオから勝手に解釈すると、「協調したいが協調されず、社会から切り離され自己の感覚も無くなって行く」という心境を一言で表したのかな?と想像する。
サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」を連想した。

この危うさは、自ら命を絶ったチェスター・ベニントンの心境そのものかもしれない。

何れにしても、チェスター・ベニントンの少年のような可愛らしい歌声と、魂を切り裂くシャウトの両方がバランスよく聴けるので、是非一度チェックして頂きたい。
あ、あとマイク・シノダのラップもクールだ。








いらっしゃいませ
プロフィール

kakeru666

Author:kakeru666
-
子どもたちとのお出かけ記録。

これからの方々の参考になれば幸いです。

カテゴリ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR