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Don't Stop Believin




新しく年が明けた。

日付が変わっただけだよと斜めに考えたりもするが、志新たに思うのも悪くない。

子供たちは、少しづつ年をとることの意味を知るようになるだろうし、そのたびに何かの志を胸に思うようになるだろう。



「将来何になりたい?」


長男が幼稚園ぐらいのときに尋ねたら
「女の子」
と答えていたのが懐かしい(笑)



※※



僕の将来の夢は画家になることだった。

別に絵心は無い。
絵画に対する造詣もなければ、羨望もない。

ただ、理由だけあった。

そんな理由は、いつか機会があれば書き連ねたい。


さて、幼い兄弟。
君達は将来何になりたい?




※※


2007年。
フィリピンからアメリカに渡った一人の男性がいる。

男は12歳の時に母親を病気で無くし、残ったのは多額の医療費と幼い兄弟だった。
父親は健在だったが、残った家族を養うことはできず、その男以外の子供たちを親戚に託した。

12歳だったその男は、父親の負担を減らすため、在籍していた教会学校を退学し自ら家を出た。

その日から公園が住みかとなった。
日銭はくず鉄や空き瓶、古新聞を集めてはリサイクル業者に売って稼いだ。
そんな生活が何年か続いた。

母親が健在だった頃、よく歌を歌う事をせがまれたという。
ラジオでカーペンターズの曲が流れると、カレンの歌声に合わせて歌ったりした。

「ああ、僕には歌があるな」


やがて、歌を歌う事を生業とし、ケソン、オロンガボ、マティのクラブで歌う日々を過ごした。


月日は流れて、気がつくと、うた歌いとして40歳を迎えていた。



※※


ジャーニーというバンドがある。
曲を聴いた事は無くても、名前を知らない人は少ないのではないだろうか?
もしくはその逆か?
ジャーニー


ショービジネスにおいて、大成功を成したアメリカのバンドだ。

発端は天才少年と謳われたギタリスト「ニール・ショーン」を世に知らしめる為に作り上げらたバンド。
ニールショーン

しかしながら、アメリカのショービジネスで成功を成しえるには、どれだけの天才ギタリストだったとしても、華やかさをもったフロントマン=ヴォーカルがいなければ、バンドとしては成り立たない。

結果、ジャーニーというバンドはデビューから数年、泣かず飛ばずの冴えないロックバンドの位置づけから出ることはなかった。


※※

アメリカでのメジャーデビューを目前に、バンドメンバーの突然の事故死で夢途絶えたヴォーカリストがいた。

音楽を生業とすることをあきらめ、彼は農場で働く日々をおくった。

運命とは悪戯好きで、そんな彼のデモテープをジャーニーのマネージャーが手にする。

結果、当時のジャーニーのヴォーカリストはツアーの真っ最中に解雇となり、農場で働いていた男がツアー途中からヴォーカルとなった。

いわずと知れた、スティーブ・ペリーの登場だ。
スティーブペリー


※※



好き嫌いがきっちり分かれるかもしれないが、スティーブ・ペリーのヴォーカルは次元が違った事は事実だ。

豊かな声量に加えて、抑揚のある歌い方に特徴があり表現も豊か。
最大の武器は高音域になるほど透明感が増す声質。

もともとプログレッシブな要素を持っていたバンド、ジャーニーにとってドラマチックな楽曲を表現するにはうってつけだった。

そうして、ジャーニーは総セールス数8,000万枚のアルバムを売り飛ばすアメリカンドリームとなった。


けれど、このスティーブ・ペリーの功績は諸刃の剣でもあった。


※※


1998年。
スティーブ・ペリーは退行性骨関節疾患という病でバンド継続ができなくなってしまった。

そして、ジャーニーは後任のヴォーカルを雇うことになった。

気の毒なのは、類まれな声質を振るったスティーブ・ペリーの後任ヴォーカル達だ。
結局、歌が歌えるだけではジャーニーのヴォーカルは勤まらず、結果、ジャーニーは2007年活動停止を発表する。


※※

2007年。
フィリピンからアメリカに渡った男。
名前はアーネル・ピネダという。
アーネルピネダ


渡米の目的はジャーニーのヴォーカルになる事。

この100%アジア人の彼に対し、入国審査官は少々差別的な事を口にした。

「フィリピン人のあんたが何しにアメリカに?」

「ジャーニーのヴォーカルオーディションを受けにきた」

「は?。。。じゃあ、ホイール・イン・ザ・スカイを歌ってみろ」
ホイールインザスカイ


このアジア人、頭おかしいんじゃないか?
入国審査官はそう思ったかもしれない。
もしかしたら、その場に居合わせた人全員そう思ったのかも。

だからこそ、この曲をチョイスしたように思われる。

この曲は、かつてのヴォーカル、スティーブ・ペリー最初のヴォーカル曲だ。
憂いのある歌詞とメロディを抑揚のある独自の歌い方で、まさに曲を「表現」して、その名を知らしめた代表曲でもある。

↓↓スティーブ・ペリー版「ホイール・イン・ザ・スカイ」
   出だしを聞いただけで、スティーブの声質が特徴的なのがわかる


アーネルはリクエストに答えてその場で歌いだす。
ただ、最後まで歌わせてはもらえなかった。

入国審査官は彼のヴォーカルに驚愕し、あっさり入国審査を通したから。
↓↓アーネル・ビネダ版「ホイール・イン・ザ・スカイ」
   よくぞここまでスティーブペリーに喰らいついているなと関心する。
   高音域での声の伸び方はスティーブペリーに負けていない。



※※


スティーブ・ペリーを超える、もしくは同レベルのヴォーカル探しを断念していたジャーニー。

活動停止宣言の最中、キーボードを担当しているジョナサン・ケインは偶然見たユーチューブに愕然としたそうだ。

そのまま、ギタリストのニール・ショーンに連絡をしている。

「僕らのヴォーカルを見つけたよ。なんとフィリピンにいたよ」

ニール・ショーンもユーチューブを見て驚愕。

直接ユーチューブで歌う本人に、メールを送ったそうだ。

受け取った当人こそアーネル・ビネタ。
けれど、齢40歳を迎えた、十分に大人なアーネルは、たちの悪い悪戯にしか思わなかったそうだ。

結果、ジャーニー側は彼の知人に説得させるという外堀を埋める作戦に出て、なんとかアーネルをアメリカまで引っ張り込む事に成功。

「背が小さくて、かっこ悪し、なにより完璧アジア人の僕がアメリカの代表的バンドのリードボーカル?」

そんなふうに思ったんだそうだ。
これは僕の想像だが、バンドメンバーが認めても、おそらくはアメリカのファンからは認められないだろうと思ったのではないかなと。

けれど現在、彼は正式なリードヴォーカルであり、ワールドツアーもこなしている。
実際は、アーネル採用の経緯がアメリカでドキュメント映画になるほどの気に入られ方だ。


そしてアーネル率いるジャーニーは2017年2月に日本にも来るそうだ。
ジャーニー2


※※


ユーチューブをきっかけとしたサクセスストーリーは良く聞く話だ。

ただ、基盤となる才能やらなにやらは、見えないところでの努力とか、そういったもので作り上げられている。

あとは神様の悪戯心ぐらいなものだろうか?



さて、幼い兄弟。
君達は将来何になりたい?

何にだってなれるんだよ。
努力をすることと諦めない事ができるならさ。


そうしたら、神様には、お父さんから言っておくよ。
面白やつがいるってね。





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No title

こんにちは

ジャーニー、懐かしいと言うか若かりし頃にハマってました

スティーブペリー脱退後は遠ざかっていましたが、そんなことがあったのですね

新生ジャーニー、聞いてみたいと思います

子供達には良い教訓ですね

No title

youtube動画を両方聞き比べました
演奏力も褪せてないどころか
ギターアレンジではシブさが増して
とてもカッコイイです!

新年最初とあってkakeru666さんの
記事にも熱がこもっていて
読み応えありましたよ~♪

本年もよろしくお願いします

Re: No title


めたぼん 様

コメントありがとうございます。

実は僕もしらなかったエピソード。

知人に
「ジャーニー、新作出したんだね、スティーブペリー健在でよかったよ」
なんて言った際、
「?、ヴォーカル違うんだよ」
と言われ、あわててチェックしたら、本当にスティーブペリーではなくてビックリ。

よくもまあ、ここまでそっくりさんを探したものだと思ったら、結構ドラマチックな経緯があったので興味深く調べてみました。

新しいヴォーカルは、本当に歌が上手で、特に高音域での透明感はすばらしいと思います。

女性のキーでも難なくこなす映像がユーチューブに多数UPされていて、まあ、これを見るとすぐに連絡取りたくなる逸材だった事がわかります。

世の中狭くなったのは、案外悪いことではないかもしれませんね。

Re: No title

aonekopapa 様

コメントありがとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。


読み応えとはこれいかに(笑)

最近の流行楽曲では、ギターソロのパートなど無かったりする曲も珍しくないので、
ジャーニーみたいなバンドのギターソロがあると、ちょっとしっくりします(笑)


TOTOのスティーブルカサーやニールショーンのように、テクニックを前面押しするのではなく、曲に合わせて心地よいギターを奏でるバンドは少なくなったかもしれません。

それはさておき、新しいヴォーカルを見つけた事に、一番喜んでいるのはたぶんジャーニーのメンバーのようで、歌うアーネルを見つめながら、嬉しそうに楽器を奏でるニールショーンを数々の動画で見かけます。

やはり、彼らはスティーブペリーのヴォーカルは最高だと思っているのと同時に、そのヴォーカルを失ったことの危機感と、改めてスティーブペリーみたいなヴォーカルのバックで演奏できることに幸せを感じているのかもしれません。

諦めないことは大切だなと、色々な意味で感じ取れたエピソードだったので、年初一発目のネタとさせて頂きました。

同じように、ヴォーカルで苦労しているヴァンヘイレンのために、「ヴァンヘイレン歌ってみた」の動画でもユーチューブにUPしてみようかな(笑)

声がかかるかもしれないし。
いらっしゃいませ
プロフィール

kakeru666

Author:kakeru666
-
子どもたちとのお出かけ記録。

これからの方々の参考になれば幸いです。

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